2022 10月の星空を撮る
宵月
金生山から宵月を撮る 夜の帳が降り始めた時間帯で、夜空には明るさが残っている 400mm、ISO320、f8、1/50秒、マニュアルWB、Raw α7RM3 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 2022年10月28日17時25分 金生山 |
ペルセウス座の二重星団 h-χ
ペルセウス座の二重星団はペルセウス座とカシオペヤ座に挟まれる位置にあり、天の川の中央に位置する散開星団。h(エイチ)-χ(カイ)星団と呼ばれる 肉眼でもぼんやりと雲のように見え、天の川のほぼ中央にあるだけに望遠鏡でのぞくと大変美しい。まるで宝石を散りばめたようと形容されることもあるが、宝石をまき散らした経験がないので分からない 流星群撮影に備えて放射点が高く上るのを待つ間に撮影 カメラ SONY α7RM3 鏡 筒 SD81S、SDフラットナーHD+レデューサーHD、625mm×0.79(F7.7→6.1) 赤道儀 SXD2、ノータッチガイド ISO3200、露出時間 728秒(12枚画像を加算平均でコンポジット処理) 2022年10月18日22時53分 揖斐谷 |
秋の流星
天候に恵まれなかった印象がある2022年も10月末の新月期を迎える頃にようやく晴れが続くようになった。こんな年もあるものだと思いながら、夜毎星空を見上げた まだ時間帯が早いので街明かりが酷いが、まあ準備をしようとセットして試写。まもなく流星が一筋流れた。散在流星だ。秋はオリオン群やおうし群に属する流星の他に散在流星が多い季節でもある 撮影データを整理していると、流星痕が写っていることに気づいた。30秒露光で連続撮影した中の、流星が写っているコマに続いて4コマに確認できた。並べてみると2分間以上も痕が漂っていることがわかる 14mm、ISO800、f2.0、30秒、マニュアルWB、Raw、LEE SP-31 ソフト №1使用、長秒時ノイズリダクションoff、赤道儀で恒星追尾撮影 α7M4 + FE 14mm F1.8 GM 2022年10月25日21時43分 揖斐谷 |
木星とガリレオ衛星
木星の見頃が続いている 木星の明るさは際だっていて、光害の中でも見失うことはない この時のガリレオ衛星は、木星から左にイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストと続く 次々と位置を替えるガリレオ衛星は見ていて楽しい カメラ SONY α7RM3 鏡 筒 SD81S、SDフラットナーHD+レデューサーHD、625mm×0.79(F7.7→6.1) 赤道儀 SXD2、ノータッチガイド ISO200、1秒 2022年10月18日20時22分 揖斐谷 |
オリオン大星雲M42の出現
秋は流星が多く流れる季節 週末はオリオン座流星群の極大を迎える。また同時におうし座流星群も南群から北群へと移り変わりつつ時折長大な流星を見せる オリオン座の高度が上がるのを待っていると、南の山際、街明かりの向こうにM42が出現した。この時間帯では街明かりが酷くて撮影条件はよくないが、ともかく出現を撮っておくことにしよう。慌てて屈折望遠鏡の鏡筒を向けた カメラ SONY α7M3(IR改) 鏡 筒 SD81S、SDフラットナーHD+レデューサーHD、625mm×0.79(F7.7→6.1) 赤道儀 SXD2、ノータッチガイド ISO3200、60秒 2022年10月20日22時39分 揖斐谷 |
十三夜の月
雲が切れるのを待ち続けると薄雲の向こうに十三夜の月とその左に木星が顔を出した 揖斐谷では残念ながらこのあと雲に覆われた。十三夜の月、最後の1枚 285mm、ISO800、f5.6、1/60秒、マニュアルWB、Raw α7RM3 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 2022年10月08日19時44分 揖斐谷 |
夜の帳が降りて街に明かりが灯り始める頃、月の左に木星が輝いていることに気づく 衝を迎えたばかりの木星はマイナス2.9等級と明るく、十三夜の月に寄り添うように並んで輝く姿は美しく、またどこか微笑ましい 100mm、ISO400、f9、1/80秒、マニュアルWB、Raw α7RM3 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 2022年10月08日17時40分 金生山 |
138タワーの上に月がかかるのは17時15分から20分と計算して待つ。17時18分、日没を迎えようとする直前、東の空に淡く輝く月が出た。計算通りだった 生憎と雲が多くて、雲の上からの月の出となった 十三夜の月は「後の月」とも呼ばれ、十五夜よりも天候が安定することが多いため古くから愛でられた。芋名月と呼ばれる十五夜に対して十三夜は豆名月などとも呼ばれ親しまれた。十三夜の夜の徳山村櫨原の風習など書いておきたいことがあるが、また別の機会に 282mm、ISO400、f8、1/320秒、マニュアルWB、Raw α7RM3 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 2022年10月08日17時18分 金生山 |
10月の星月夜
月齢10過ぎの明るい月が夜空を照らす。この夜の月没は1時20分だが2時半過ぎてようやく月明かりの影響は消える。問題は雲。夕方から快晴だったが、気象予報通りに1時に近づくと西から雲が出てきた。西に残る月を雲が隠して、天頂から東天の星空が雲間から顔を出している。大急ぎで赤道儀を準備する 右に山際から出現したオリオン座、左にふたご座、2つの星座の中央下にはこいぬ座の1等星プロキオンが輝く。写野の中央端にはおうし座の1等星アルデバラン、赤く輝く火星の左にはおうし座のβ星で2等星のエルナト。エルナトはおうし座とぎょしゃ座の境界にある あとしばらくでシリウスが出現するのだが、星空は残念ながら雲に覆われた 28mm、ISO640、f2.8、30秒、マニュアルWB、Raw、ケンコー PRO1D プロソフトン[A](W)使用、長秒時ノイズリダクションoff、後処理としてダーク減算、赤道儀で恒星追尾撮影 α7M3(IR改)+ TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 2022年10月06日01時18分 揖斐谷 |
Mars に戦いを挑む Orion
Mars(火星)はローマ神話に登場する戦いの神、軍神。ホルストの組曲『惑星』の第1曲を飾るのが「Mars, the Bringer of War」(火星、戦いをもたらす者)。第4曲「Jupiter, the Bringer of Jollity」(木星、快楽をもたらす者)は音楽教科書にも登場するほど有名だが、それに次いでよく知られているのが第1曲の「火星」 私はホルストの組曲『惑星』はアナログ盤を何枚か持っている。まずロリン・マゼール指揮フランス国立管弦楽団によるアルバム。クラシック音楽の門外漢ながら、このアルバム冒頭の「火星」の迫力には圧倒される。次にエイドリアン・ボールト指揮ロンドンフィルの演奏による1978年録音盤。大学を卒業したばかりの頃に購入して聴いた。名盤。次はボールト指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。アルバムのジャケットに見とれて買った覚えがある 日本人指揮者の小澤征爾とボストン交響楽団による録音も聴きごたえがある。録音は1979年だから、ボールト盤のすぐ後の録音盤 オーケストラではないがシンセサイザーの冨田勲によるアルバムも必聴。最初に聴いた時には部屋中に流星群が飛び回り、自作のマトリクス4chのオーディオシステムで聴くとまさにスペースサウンドだった。今聴いても決して色あせない かつて中学校に勤務していたとき、免許外教科担任として1年だけ音楽を担当したことがあった。その最初の授業で紹介した組曲がこの『惑星』だった 閑話休題 新月を5日過ぎた夜、月没は20時58分。暑気が残りよどんだ空気が覆っていたが、天文薄明が終わる19時02分前から金生山で光(正しくは光害)あふれる星空を1時間ほど撮影してから揖斐谷へ移動してオリオン座を撮る 徹夜で撮影するつもりだったが日付が変わって2時近くになって薄雲がかかり始め、次いで雲が横切るようになった どのみちこの時期はオリオン座が南中する頃には夜が明け始めている。オリオン座は南中する頃を狙って撮りたい。また次の機会のあることを祈りたい なんやかやと1時間以上連続撮影したが、結局使える画像はわずか2点のみ。薄雲がかかっているが、それでもバーナードループが分かる。目をこらして見るとエンゼルフィッシュ星雲も赤く鈍い光を放っていることが分かる、と思いたい オリオンの頭上には火星が赤く輝き、まるでオリオンが戦いを挑んでいるかのようだった 50mm、ISO800、f4.0、120秒(60秒×2枚)、マニュアルWB、Raw、ケンコー PRO1D プロソフトン[A](W)使用、長秒時ノイズリダクションoff、後処理としてダーク減算後加算コンポジット、赤道儀で恒星追尾撮影 α7M3(IR改)+ TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 2022年10月02日01時54分 揖斐谷 |